夏の憂鬱

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高田さんの納屋2

夏のこの時期、私にとって我慢できないものは2つ。
それは、炎天下で駐車していた車のドアを開けるあの瞬間。
もう一つは、ヤモリといわれる小動物に遭遇すること。

誰にもこれだけは好きになれそうもないものがありますが、私にとってヤモリはまさに
それであります。
薄気味悪いあの色と形。
左右に体をクネらせながら、音も立てずに壁を這うあの姿。
夜だけ徘徊するというあの陰気臭さ。
あーっ。(あに点々)だめだ!思い浮かべるだけでも眩暈がしそう。。。

昨年の夏のことでした。
当家の庭の一角に納屋があります。ネット通販で購入した外国製DIY製品。結構な
お値段の納屋なんです。こともあろうにこの納屋の中にアイツが大量発生して、納屋を
占拠されてしまったのです。ドアを開けるのもビクビクしながら、必死の思いで必要な
道具を取り出す始末。何とかしなければ、この先こんな嫌な気持ちで納屋を利用し続ける
事はできない。
何とかして奴らを一網打尽にするんだ!
何か方法はないか!
奴らの習性を利用した画期的な方法はなにか!

私は奴らのある修正に目をつけました。
奴らはなぜか垂直の壁面にへばりつくのが好きであること。
地面を這う姿を見ることは、稀。
ボルダリングに出場すれば金メダル間違いなし!

そして、ついに壁にネズミ駆除用の粘着板を両面テープで張り付けるというアイデアに
たどり着きました。ただ、納屋の内壁にどのようにして粘着板を貼るのか、これが問題
でした。
貼っている間に奴が頭や肩の上にでも飛び乗ってきたら、私は卒倒するに違いありません。
恥ずかしくて人にも頼めない。
いろいろ考えた末、長い枝切りはさみで粘着板を程よくはさみ、入り口の外から設置する
というもの。何とか5枚の接着版を張り付け、あとは効果を待つだけとなりました。
翌日、そっとドアを開けて中を覗くと、見事にかかってました。
初日で3匹!
あとは日を追うごとにその数は増え、10月頃までには20匹ほどが罠にかかりました。
粘着板の効果は抜群で、もがけばもがくほど体の自由が効かなくなるのです。
最後は力尽きて様々な格好のまま干からびて、その骸を晒しておりました。

何年前か覚えていませんが、「哲子の部屋」での徹子と北島三郎の会話です。

「北島さんが今までで一番びっくりしたことってなんですか?」
「いやー、実はベトナムのホテルであったことなんですが、トイレのドアを開けたとき、
真正面に巨大なヤモリがいましてねー。
腰を抜かすほどぶったまげました!これがまた、デカいんです!
あれには参りました。」

何度か海外に行きましたが、ベトナムにはいきません!

東南アジアにもいきません!

アイツが待ち構えているような気がしますからね!