妄想

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もうずいぶん前の話だ。

TVか何かのメディアで、ある映画の紹介をしていた。
すぎて映画のタイトルも覚えていない。
内容は、確かこんなふうだった。

深いチベットの僧院での話だ。
年代で言えば1980年代だろう。
世界の辺地と思われていたチベットにも サッカー熱が少年達の心に広がっていた。
少年たちは幼いが見習い僧だった。
彼らは寺のお勤めと修行の合間、手製のボールでサッカーのまね事に興じ、世界的なストラガーの話に夢中だった。
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ある日、少年の一人が街でワールドカップが開催されていて近日中に決勝戦が行われることを耳にしてしまった。
なんとしてもその決勝戦を見たい。
少年たちの心はその願望ではち切れそうなほど膨らんでゆく。
だが、彼らは厳格な戒律の中で生きる幼いとはいえ僧侶である。
キックオフの瞬間を見ることなど到底叶わぬ夢であった。
しかし、その瞬間を見るために彼らはある行動に出ようとする……。
私は結末を知らない。
紹介はそこで終わったからだ。
今でもその作品が見つかれば観たいと思っている。

前置きが長くなってしまった。 昨年から新型コロナのパンデミックで世界中の生活様式が変わってしまった。
狭い空間の中で、人々は閉塞感に耐えてきた。
しかし、最近、感染者数が漸減してきたことで10月にはかなり行動規制が解かれることになった。
その開放感のせいかもしれないが近頃、こんな妄想に取り憑かれている。
このクリニック全職員及びその家族全員で、紅白に分かれてサッカー大会をやる。
会場は乃木浜公園の、あの青々とした芝生のピッチだ。
不可能なのはわかっている。
ただどんなプレーになるのか、想像するだに可笑しくなり、一人ニヤニヤ している。

次回の更新は10月19日(火)です。お楽しみに!