さて、初めてのフルマラソン奮戦記も今回で最後となりました。
最後の折り返し地点・長州大橋を渡り切り、長ーい坂道の繰り返しのあと、最後の難所・
彦島大橋まで来ました。
もう走って坂を駆け上がる元気など微塵もなく、ただひたすら早歩きと遅走りを繰り返し、
手繰り寄せるようにジリジリと進んでいました。
橋を渡り、トンネルを出ると、目の前に飛び込んできたのは海響タワー!
その足元にゴールがあるのです!
もうすぐ戦いが終わる!
そう思っていましたら、沿道からスーツ姿の男性が、身を乗り出して何やら叫んで
いるのが目にはいりました。
彼は大声でランナーにこう呼びかけていました。
「ランナーの皆さん!
ここまでお疲れ様でした。よく頑張りましたね。
あと数キロでゴールです!
ここから歩いても制限時間内にゴールできます。
でも、あともう少し頑張ってみませんか?
そうしたら夢の5時間半切りが叶うんですよ!まだ時間はあります!
勇気を出して、一歩前に出てみませんか!」
その声を聞いた途端、私の足はまるで意思を持ったかのように走り出しました。
もう走るなんてできなかったはずなんです。
体重を前に掛けることによってかろうじて足が前にでる。。そんな状態だったんです。
ですが、その男性の呼びかけに脳が反応する前に、足が前に出ていました。
5時間半切り!
5時間半切り!
頭の中をこの言葉が渦を巻いていました。
下関駅ちかくになりますと、沿道の歓声が地響きのように聞こえてきました。
目の前には海響タワー。
この角を曲がると。。。。
。。。。見えた!
ゴールだ!!
もう歓声も何も聞こえませんでした。
ただただひたすらゴールに吸い込まれるように倒れこむように走りこんでいきました。
ふと足を止め、顔を上にあげて振り返ると。。。。。ゴールのアーチが見えました。
「おめでとうございます」
ボランティアの方が完走のメダルを首にかけてくださいました。
え。。。。?
完走。。。?
私が。。。?
無我夢中でした。
あとはもうどうやって歩いたのかよく覚えてません。
先にゴールした主人がこれまた半泣きで駆けつけてくれて写真を撮ってくれましたが、
萎びたきゅうり(!)みたいな顔で写ってて笑ってしまいました。
記録は5時間20分。
5時間半切り達成してました。
あの男性の言葉を聞いていなかったら5時間半は切れなかったですね。
彼は誰だったんでしょうね?
あれから2年。
その間、2回のフルマラソンを完走しました。
去年の海響マラソンは調整に失敗し、腸脛靭帯を損傷。
やむなく出場を断念し、主人の応援へ。
そして、今年もこの季節がやってきました。
2017.11.5
海響マラソン 第10回記念です。
もうワクワクが止まりません。
怪我をして走れなかった痛恨の想い。
走れることの喜びを日々噛みしめている私です。
さあ今回はどんなドラマが生まれるんでしょうか。
また新しいマラソン奮戦記、ブログで書いていきますね。
気長にお付き合いくださいませ。