思いを伝える!

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先日、東京に行った帰りの出来事です。
折しも大型の台風がこちらに向かっており、運行状況を見ながら用事を済ませ、早めに
空港入りしました。
北九州空港に着陸できない場合は羽田に引き返すという条件付きでしかも30分遅れで
離陸しました。
上昇中はかなり激しく揺れましたが、頃合いを見て客室乗務員の方は冷たい飲み物限定で手際よく
サービスをされていました。
そして、北九州上空にきたのですが、一向に降りる気配がありません。
その時アナウンスがはいりました。
福岡空港が停電のため、着陸できない便がこちらに向かっているので上空で待機するとのこと。

そんなこんなでようやく着陸した時はなんだかげっそりしていました。

ところがです。
チーフの客室乗務員の方のアナウンスがよかったんです!

いえもう感激しました。

乗務員のアナウンスはマニュアルがあり、私たちの時代は丸暗記は当たり前でした。
(今でもすらすら言えるくらい叩き込まれました)
このチーフの方はPA(マイク)を持って、キャビンをしっかりみながら丁寧にアナウンスされました。

今日はもしかしたら羽田に戻るかも知れないと気が気ではなかったこと。

かなり遅れたのに、北九州上空で待機となったこと。

本日のお客様は○○○名と○名のかわいい赤ちゃんだということ。

そんなことをご自分の言葉でアナウンスされました。
聴いていて耳に心地よく、本当に疲れが吹き飛びました。
降りるときにこの気持ちを伝えようと思ったのですが、生憎アナウンス中でしたので、側にい
ほかの乗務員の方にいいましたら聞こえていたようで、嬉しそうに深々とお辞儀をしてくださ
いました。

帰宅したのはもう深夜。日付が変わっていましたが、本当に気分がよく、なかなか寝付け
ませんでした。

翌日、友人にこのことをラインで話しました。

彼女は、昨日私が搭乗した同じ会社の客室乗務員をしています。

そうしましたら、返事が返ってきました。
彼女曰く社内では、サンクスカードというものがあり、感謝の意を伝える手段としてよくつかわれるんだそうです。
そして私をそれほど感激させたチーフ宛にサンクスカードを送りたいとのことでした。
そのあとに来た彼女のラインにまたまた私は感動してしまいました。

「クレームも感謝も、言うのは結構勇気いったり面倒だったりするけど、感謝はやはり伝え

なきゃ!」

そうなんですよね。
思うのは簡単なんです。
でも言葉に出して伝えるとなると足踏みしてしまいます。
日本の航空会社のサービスは世界でもトップレベルだといわれています。その最前線に
いる友人の言葉は深く胸に浸み込みました。

「ありがとう」

素敵な言葉ですよね。

先ずはスタッフに、家族に、身近な人に感謝の想いを言葉に乗せて届けたいと思います。