羽生善治竜王に広瀬章人八段が挑戦する第31期竜王戦七番勝負第7局が、今まさにここ
下関の「春帆楼」で行われています。
私がこの対局にとやかく言うほどの知識はありませんので、この舞台となっている
「春帆楼」について少しだけ触れておきたいと思います。
この「春帆楼」は、割烹旅館でございます。この名前は春うららかな眼下の海にたくさん
の帆船が浮かんでいる様子から伊藤博文が名付けました。
また禁制だったフグ料理を伊藤博文が市民に解禁したことでも知られています。
そして、この「春帆楼」が一躍有名になったのは、1895年の日清講和条約(下関条約)
ですね。
なぜこの下関が講和会議の地に選ばれたのか。
それは、日本の軍事力を誇示するのに最適だったからです。
会議の終盤、増派された日本の軍艦が遼東半島目指して関門海峡を次々と通過する
光景は清国使節団に脅威を与え、交渉は日本のペースで展開したといわれます。
時代は移り、戦火で全焼という苦難を潜り抜け今なお全国のフグ愛好家を唸らせる
存在であります。
現在は養殖の技術が発達し、いつでもフグがいただけますが本番は寒くなるこれから!
下関の学校給食には「フグ雑炊」や「子フグのから揚げ」などがあり、お替り必須
なんだそうです。
とはいえ、やはりフグは値が張ります。
そういう時は唐戸市場で「フグの身欠き」を買ってきます。
「身欠き」とは、皮をはぎ、内臓を取り、骨と身が付いた状態のものです。
この後身を外し、アラはぶつ切りにしてふぐちりに。
身は好きな厚さにそぎ切りし、ふぐ刺しに。
家族みんなが大好きなフグ。
難点は、夢中になりすぎて皆無口になるところですかね。
次回の更新は12月25日(火)です。お楽しみに!