お江戸ワールド

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先日、講談を聞く機会がありました。

どんなものかイメージが湧かなかったのですが、ずばり申し上げましょう。

 

最高に面白かったです!

 

今回の物語の主人公は25歳のお医者さん。

時代はもちろん「江戸時代」でございます。

彼は真面目一本の堅物なんですが、ひょんなことから吉原の花魁にのぼせてしまいます。

通いに通いつめ、とうとう父親の医学書を質に入れた事がばれて、勘当されてしまいます。

ふと我に返った彼は心を入れ替え、3年もの間必死で働き、診療所を開くまでになりました。

そんな時、妙な噂が耳に入ります。

昔惚れ込んだ花魁が、自分のことを思い続けており、ぱったり脚が遠のいたことで

気を病み、座敷牢に入れられているとか。

彼は取るものもとりあえず遊郭へ駆けつけ、3両で花魁を身請けします。

彼は必死で看病し、数年ののち、花魁の瞳にぽっ。。と光が差すまでになりました。

さて、そうなりますと遊郭の主人が黙ってはいない。

吉原で5本の指に入るといわれた人気の花魁ですから、返せと物言いをつけてきました。

「3両で身請けしたではないか」

そういう若先生に向かって、証文はあるのかと詰め寄る主人。

はなっから証文など渡していないのですからあるわけがない。

花魁を返せ返さないとすったもんだやっていますと、長屋の大家さんが間に入ってきました。

「ここはひとつ私に任せてくださいな」

遊郭の主人はまた明日来るからと捨て台詞を残し、去っていきます。

さて、この大家さん。

ばあさんに、茶碗を一つ用意するよう伝えまして、明日になりました。

案の定、遊郭の主人と大家さんの意見が紛糾し、つかみ合いの喧嘩と相成りまして、

殴りかかってきた若い衆に向けて茶碗を投げつけ、割ってしまいます。

そして、とうとう決着は公の裁きの場へ。

裁くのは時の名大官・大岡越前であります。

 

「一同面を上げい!」

 

お決まりのセリフの後、裁きが始まりますがこれを書きますと長くなりますので

割愛します。

要するに、証文がないなら花魁を連れて帰ってよい。

しかしながら、この若先生は3年もの間看病し、投薬もしている。それをすべて

計算すると約2,000両になるから、即刻この場で支払うようにとの

お沙汰を下します。

 

どうです⁉

胸がすくような名裁きではありませんか!

そののち、若先生と花魁は夫婦となり幸せに暮らします。。。。と言いたいところですが、

後日談があります。

裁きの後、大家は遊郭の主人を呼び出します。

はて、何の用だろうとのこのこ現れた主人に対し、大家さん、割れた茶碗を差し出します。

これは先祖代々伝わる家宝だと。

先日のすったもんだの騒ぎでわれてしまったから、弁償しなさいと。

そんな無茶苦茶な。。。と言いつつも、一体いくらなんですかと聞きますと

この大家さん最初からそのつもりだったらしく

「20両」

とこたえ、まんまと大金をせしめます。

 

洋の東西を問わず、こういった名裁判は歌劇などの演目になりますね。

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」などまさにこのパターン。

 

もし私がこの話の脚本を書くとしたら。。。

 

大岡越前・・・加藤剛

若先生・・・・綾野剛

花魁・・・・・島崎遥香

遊郭の主人・・古田新太

長屋の大家・・笹野高史

 

こんな感じでいかがでしょうか⁉

 

次回の更新は11月16日(金)です、お楽しみに!